LED-UVで生産強化・後付可能「XPシリーズ」で変革

印刷新報:2017.2月2日号・「現場中継」掲載

株式会社エーエム(東京都)

印刷から製本までの一貫生産体制を構築し、顧客のニーズに迅速に対応するエーエム(安齋亀治社長)は、Air Motion Systems社(米国、以下AMS社)のLED―UV乾燥システム「XP―7」(販売元/ASIAMIX)を導入し、生産の効率化やスプレーパウダーによるトラブルの改善を実現した。

商業印刷を中心にパッケージや封筒などを手がけるエーエムは、東京・江東区に本社および工場を構える。生産設備は、四六全判4色機から菊全判5色機、同2色機(1/1両面兼用機)、菊半裁判4色機(2/2両面兼用機)、同2色機まで計5台のオフセット印刷機を保有。加えて、デジタル印刷機や中綴じ製本機等の後加工設備も保有し、小ロット・多品種、短納期という厳しい要求に応えている。

同社がXP―7を導入したのは昨年11月。省電力UV印刷が増加しつつある中、それまで外注していたUVの仕事を内製化することが目的のひとつであった。とくに、採用にあたっては他社との差別化を図るため、菊全機ではなく四六全判4色機へ後付けでの搭載を決断した。

XP―7は、高額な導入コストやLEDランプの照射距離が短いなど、従来のシステムの課題を解決する製品。最大照射距離150㎜を実現しながらコンパクトであるため、既存の印刷機への後付けが可能。XPシリーズは生産性向上設備促進税制の認定機材となっている。

速乾で短納期化、効率化を実現

油性印刷で短納期対応を展開しているエーエムだが、XP―7は、その迅速な対応を加速させるものとなった。

以前の同社では、急ぎの仕事で朝一番に印刷しても断裁は午後という乾燥時間が課題であった。また、乾きにくい用紙や重い絵柄ではさらに時間を要し、後工程へのスムーズな展開ができないことはもちろん、乾燥時の用紙の保管スペースの問題にもつながっていた。

しかし、LED―UV装置を搭載したことで、四六全判機の脇田秀司機長は「油性では乾燥に1日は待たなければならなかったが、今ではスピーディーに加工へまわすことができる。4×4の仕事でスミベタ320%を超える絵柄ですぐに用紙を返して印刷したがまったく問題がなかった。時間と空間の両面で大きなゆとりが生まれた」と効果を述べる。安齋社長も「お客様には短納期対応が非常に喜ばれている。裏移りの心配がないため板取りが不要となり生産性も向上した」と笑顔を見せる。

XP―7の導入は速乾による生産効率化だけにとどまらない。パウダーレスの実現もまた大きな意味を持つ。

油性印刷において生じるトラブルはボタ落ちなどスプレーパウダーに起因することが多い。エーエムでも四六全判機では重い絵柄のポスターの仕事が多く、パウダー散布量に細心の注意をはらっていた。脇田機長は「油性印刷時と比べ、LED―UVはパウダーを使用しないため、トラブルが生じないという安心感がある」と話す。

また、気になる油性とLED―UVの色再現の差については「カラーマッチングがとれていることからまったく問題はない」とし、ドライダウンがないことと合わせ、品質面でも顧客の評価が高まっているという。

印刷現場の士気が高まる(左が脇田機長)
印刷現場の士気が高まる
(左が脇田機長)


後付けで搭載したXP-7

後付けのメリットを享受

このように大きなトラブルもなく順調にきているのは後付けという部分が大きい。脇田機長は「扱い慣れた印刷機に搭載したことでスムーズに稼働している。ローラやブランケットの洗浄は心がけているが、油性印刷の時代と基本的な作業は変わらない。ASIAMIXさんのサポートも心強い」とメリットを強調する。

「今後、特殊紙の仕事も手がけていきたい」というエーエム。新たな武器を手にオペレーターのモチベーションが高まり、現場には今後の成長へ期待が溢れている。